- 簡単に組み込めるカート、決済システム、App Store・Google Play 等の市場
- 簡単にかっこいいサイトが作れる Bootcamp、jQueryなどの数々のライブラリ
- 勉強さえすれば誰でも短期間で作れるスマホアプリのインフラ
デザイン
最近、デザイン(UI/UX)って大事だよねーって話をどこに行っても聞く。
誰でも同じ機能を使ったサービスを簡単に作れるようになったからだ。
みんな、プラットフォーマーが作ったルールの上でダンスしてるんだけど、当時は珍しかった「靴」っていうものも、「リボン」ってものも、最近じゃ、「サングラス」ってのも、みんなが手に入れられるようになってしまった。
今じゃ、ダンスフロアの入り口で、良ければこのサンプルどうぞ、って大概のものが配られている。
確かに、部品だけくれるから組み立てるのが大変だったりってのもあるけど、どんどん簡単になっているし、リテラシーがあれば、組み立てるためのマニュアルはどこにでもあって見つけられる。
で、デザイン。
この前、自分でiPhone向けのTwitterClientを開発したのだけれど、世の中にTwitterClientは一体何個あるんだろうか?
デザインが良ければ、今からでもトップシェアのTwitterClientが生まれるのか?
「4年で250億ダウンロード、50万種類リリースされたiPhoneアプリ」という時代。
可愛い靴を作れば、はきかえてくれるかも。
見たこと無いリボンにしたら、まだしてないひともしてくれるかも。
サングラスを軽くしたらから、使う人が増えるかも。
もはや、全部当たり前になってしまったんじゃないのか?
つまり、デザインが優れていることは、差別化要因ではなくて、それがないとお話にならない時代なんだと思う。
どんなサービスやっていたって、当たり前のようにPathの地図みたいな気持ちよさを目指すべきだろう。
デザインがいいのは当たり前なんだ。
当たり前だけど、今からTwitterClientを作っていてはだめだし、そもそもスマホ軸で勝負するのは遅すぎて危険な匂いしかしない。
(もちろん、拡大するスマホ市場の上澄みを取りに行くのであれば別だし、マネタイズ視点で企業としてやるべき。)
差別化のために必要なのは、デザインそのものではなく、何をデザインするのか、その着眼点だろう。
アイディア
どんな問題を解決するのか、どうやって到達するのか、着眼点が差別化になる。
世の中は変化し続けて、その中で無限に新しい問題が発生し続ける。
世界が複雑系である中で、解決すべき問題のない状態にはならない。
誰も真似しないその瞬間まで。
良いアイディアの敵はパクリだ。
first movers advantage は大きいが、最初に参入した事業が後発に食われるということは往々にして起きる。
資本のある企業が投資してくるまでにどこまで逃げられるのか。
いいアイディアは必ずパクられるし、スタートアップが持てる参入障壁なんて、あってないものが多いはずだ。
良いアイディアを色々なところでピッチしまくってブラッシュアップすることは絶対やるべきだと思う。
シリコンバレーでピッチしていたアイディアは、沢山の人にご意見をいただいてとても深くなったし、もっと考えぬくべき多くの課題を得た。アイディアを軸に素晴らしい人達の紹介もしてもらえた。
アイディアを隠すというもの手段かもしれないが、多分それよりも大事なことは、思いついてから、実装・リリースできるまでの早さだろう。フットワークの軽さと技術力は良いアイディアを長生きさせる最大の手段なのではないか。
早さ
早さは差別化になる。
誰もやってないことを一番にマーケットに出すことは、ユーザーを獲得する上でおそらく一番大事な要因ではないだろうか。
ユーザーが集まれば、投資も集められるし、そうなればもっと人材を集めたり、広告をうってさらにユーザーを集めることも出来るようになるだろう。
そこまで、つまり、「ユーザーを集めて、お金を引っ張れるところ」まで走れればとても立派だ。
多分、大概の場合は、誰もやっていないことを一番にマーケットに出した次の日に、全く同じ機能をもったサービスが同じ市場に存在する。次の日、というのは大げさでも、数週間で2番煎じは絶対に来る。
ソーシャルランチがリリースされたのは、11年10月19日。
この半年間で、同じようなコンセプトのサービスをどれだけ見ただろうか?
良いコンセプトのサービスは、目立つ分、パクられるのも早い。
初動の早さだけで勝ち抜けるのは、グルーポンとか、ぐるなびのASPみたいな、もしくは、POSシステムとか、サブスクリプションの音楽配信とか(日本には正式にはまだ参入できてないけど)とにかくターゲット1人に対して、穴が一つしか無い、席取りゲームみたいなビジネスだろう。
他のサービスは、ユーザーにとって便利で、いいものであれば、後からでも乗り換えられる。つまり、先に出したから差別化になるわけではない。
<結論>
だから、結局、デザインもアイディアも早さも、あって当たり前ということ。
この3つを兼ね備えた組織ってかなり筋肉質だと思う。
ましてや、お金のないスタートアップであればなおさらだ。
最小限の人数でこれらを実現しないといけない。
今、大学生を始め、経験の薄い人たちがどんどんスタートアップで立ち上がっていく。
彼らの武器は、気合と竹槍(=ほとんどない技術力)だ。
ワンダーシェイクだって全然成功しているって僕は思わないんだけど。。。
確かに、海外に軸足を置いて凄いなと思う。(し、羨ましい。)
というか、奇跡の中の奇跡だと思う。
それをみて、竹槍で戦いに行くのかーと思うと、否定はしないけど、大変だろなと思う。
僕は、外から見ていてorinocoがいいなぁ、理想だなと思っていて、
企業で開発をしてきた経験者が、マネタイズのできる複数のビジネスを展開して、
同じ文脈で語られる中では、自分の理想に近い。
Grow!も素敵。スタート時からきっちり未踏プロジェクトにいたメンバーが入っている。
彼らは、同じスタートアップでも、武器は竹槍じゃない。いわば、戦闘機。
デザインもアイディアも早さも、ベースとして兼ね備えた状態だ。
それがないと、相当つらい市場環境だと思っている。
では、どう差別化すればいいのか?
差別化とはつまり、どうやって独占、寡占市場に持ち込むのか、ということ。
スタートアップであっても、他社が抑えられない権益やリソースを自社が抑えることができれば、それは大きな差別化になるだろう。
素早く参入して、一番にユーザーを囲い込むことが差別化なんです、というようなあってないような話ではなくて、何かしら独占できる権益を探す。
もしくは、独占できるものを産み出してもいい。最近、僕が思うのは、それだ。
提供側にリッチな環境があり、差別化要因が作りづらい状況で、コンテンツやブランドを自分で作ることは今の市況で強い差別化要因じゃないかと考えている。
あとは、実は運という要素もとっても大事だと思う。
長文、読んでいいただいてありがとうございます!
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